村上世彰氏が「物言う株主」から「グリーンメーラー」へと堕ちた日

 2001年5月には、株式上場時に調達した資金が時価総額を上回っていた東証マザーズ上場のサイバーエージェントに自社株買いを要求して売却。この頃から村上に対し、企業に持ち株を買い取らせるグリーンメーラーではないかという批判が出始める。

 村上は「すべての株主に保有株を売る機会が平等にあれば、法的に問題ない」と反論。商法の株主平等原則に照らしてフェアかどうか強調した。確かに村上は、自分だけに利益供与を要求する総会屋とは異なる。ただ世間から、なかなか理解されなかった面は否めない。だからだろうか。村上は自嘲気味に自らを「合法的な総会屋だ」と語ったこともある。

少なくとも記事によると2001年上半期には「形を変えた総会屋」「グリーンメーラー」等の批判が出始めていることが理解できる。
2000年頃までの村上ファンドの(経済マスコミを巻き込んだ)派手な動きが宣伝材料となり、ファンドの巨大化が一挙に進み「利を得るという現実」が「世直しという理想」を大きく上回った末の結果とも見ることが出来る。

物言う株主」から「グリーンメーラー」へと堕ちる道は、皮肉にも名を高め「世直し」をする為の行動によって開かれたのである。

村上世彰「私の挑戦」

村上世彰「私の挑戦」