gooがあんなことにならなければという思い

"Σプロジェクト(シグマプロジェクト)"の資料を今更ながら見なおしてみると、正直、下記の一大プロジェクトには全く期待できない。

 検索エンジンといって、真っ先に思い浮かぶのはどんな企業だろう。検索の王者であるGoogleや対抗するYahoo!Microsoftなど、大手はほとんど米国企業であるのが現状だ。ここに危機感を抱いた経済産業省が、産学を巻き込んだ一大プロジェクトを始動させる。

 プロジェクトの名前は「情報大航海プロジェクト・コンソーシアム」。7月設立予定で、国産の情報検索・解析エンジンを開発する。日立製作所NEC富士通といった企業のほか、早稲田大学東京大学などの38団体が参加する。3〜5年後の実用化を目指す。

(中略)

 同様の取り組みとしては、フランス政府が音頭をとったEUのプロジェクト「Quaero」などがある。Quaeroの場合、2年間で約400億円の資金を使って検索エンジンを開発するという。

 コンソーシアムの開発体制や予算については未定だが、経済産業省数十億円の予算を確保するとみられる。コンソーシアムでは7月の正式発足後、ベンチャー企業や海外企業などにも広く参加を呼びかける計画だ。

日立製作所NEC富士通といった企業

所謂ITゼネコン経産省官僚の天下り先。大学はともかくとして技術的にこいつらに期待する方が間違っている。(下請け孫請けに実作業を回すのがオチ)

数十億円の予算

桁を二桁ほど間違っておられるようで。仮に一年数十億円でも全く足りない。
経産省のエライ方はGoogleYahoo!といった海外勢のweb系システム開発投資額をご存知ないらしい。多分、連中の頭の中では未だに汎用機が回っているのであろう。
(そもそも日本のIT(特にweb系)関連企業は「システム技術開発」のアピールが足りない為、一般の人々から「IT関連企業は額に汗して稼いでいない」とかお門違いの批判を受けがちである。)


で、当エントリーのタイトルにもしているgooだが、
「あの一件さえなければ」
という、事件があったのだ。
そのたった一つのミスさえなければ、国産検索エンジンを「今更、零から創る」必要なんて無かったんだよ。

その事件とはサーバのOSをマイクロソフト製品に変えたことによって起こったんだけどね。
この事件でgooの検索サービスが不安定になり、Yahoo!JAPANを使っていなかった、gooを愛用していたコアなインターネットユーザはGoogleに移行、gooが再び安定を取り戻した時には、「時、既に遅し」。

現在、googleで"goo"を日本語のページで検索すると、中古車情報の"goo"が混ざっているという、悲惨な状態になってしまいましたとさ。とほほ。


でも、もしそうなっていたら、ケータイ電話市場ではDocomo×goo」と「AU×Goole」と「Softbank×Yahoo! JAPANで熾烈極めるサービス競争が始まってたんだろうな、今ごろ。*1

*1:現実ではDocomoが組むところが無い