日興株、上場維持

各大手新聞社の経済面で上場廃止が濃厚視されていた日興コーディアル証券の株式は、結局、上場を維持されることとなった。

 東京証券取引所は12日、不正な利益水増しが発覚した日興コーディアルグループの株式上場を維持すると発表した。記者会見した西室泰三社長は「(不正会計が)組織的、意図的とまでは言えない」と述べ、不正の影響が重大な場合に上場を認めない東証上場廃止基準には該当しないと判断した。


ここぞとばかりにJ-CASTニュースが「大マスコミの誤報連発!」と叩いているが、この上場維持にはおそらく「何らかの意図が働いているであろう」と言うところまで頭が回らないのがJ-CAST
“ただしソースはJ-CAST
と言われる所以だろうか。

東京証券取引所は2007年3月12日、不正会計問題で監理ポストに割り当てられていた日興コーディアルグループの株式の上場を維持すると決めた。この1カ月にわたり伝えられていた「上場廃止」のマスコミ報道がミスリードだったことが明るみに出た。しかも、日経、朝日、読売、時事、共同などがそろって誤報する、という異常な事態となった。

日興「上場廃止」 誤報連発!大マスコミの報道 : J-CASTニュース


その一方で、産経iza!は興味深い分析(妄想?)を行っているようだ。*1

 西武鉄道カネボウライブドアなど有力上場企業の粉飾決算が相次ぎ、「市場の番人」である取引所への信任は揺らいでいる。「灰色」を理由に日興株の上場維持を決めた東証の判断の妥当性が今後、議論を呼ぶ可能性がありそうだ。
 日興は今後、米シティグループ傘下で信頼回復と経営の立て直しを急ぐ。上場維持が決まったことで株価が上昇し、日興の発行済み株式総数の過半数取得を目指すシティの株式公開買い付け(TOB)が難しくなる恐れもある。
 大阪証券取引所名古屋証券取引所も同日、日興株の上場維持を決めた。上場廃止にしない理由として、西室社長はこのほか(1)経常利益などの訂正幅が過去の前例と比べて小さい(2)西武鉄道カネボウと比べて悪質さの度合いが低い−などと説明した。金融庁などから上場維持を迫る圧力はなかったという。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/42942/

つまり、上場維持を迫る第三者からの圧力は無かったものの、日興が米シティグループ傘下に入ることを大手証券取引所自身が嫌がったと見ることが自然であろう。
そのことから日本の大手証券取引所の経営陣は
「異国の巨大金融グループが日本の証券取引所経営そのものに参加し、彼らに日本の証券市場に蔓延る“伝統主義的でローカルな特殊性”を指摘され、それを改善させられることを迫られること」
を恐れたのではないか?とも考えることが出来るのである。

*1:赤色強調はブログ主による