ソニーの憂鬱

ノートPC用充電池の相次ぐ不具合に続き、噂されていたPLAYSTATION3の発売延期がじわじわと現実味を帯びてきていた今日この頃、こんなニュースが転がってきた。

 ソニー・コンピュータエンタテインメントSCE)の久多良木健社長は6日、都内で会見し、基幹部品の量産が軌道に乗らないため、次世代ゲーム機プレイステーション3PS3)」の欧州での販売を来年3月上旬に再延期する方針を明らかにした。ノートパソコン用充電池の不具合に続き、最大の戦略商品であるPS3の発売延期は、業績の回復途上にあるソニー本体にとっても足かせになりそうだ。
(中略)
 ソニーは、PS3に投じた巨額の開発費もあって19年3月期のゲーム部門はもともと1000億円の赤字を見込んでいた。これに加えて、海外向け出荷では、航空機輸送の頻度が高まる可能性が高く、「輸送費は確実に増える」(久多良木社長)という。問題の青色レーザーの歩留まり(良品率)悪化も収益圧迫の要因となる可能性もあり、ソニーのPS戦略に微妙な狂いが生じている。

とりあえず今のところはEU市場だけの発売延期との事だが、事態は予断を許さないほど切迫していると考える方が自然だろう。
とにかくPS3のウリの一つ*1であるBlu-ray Discを読み込むための基幹部品「青色レーザーダイオード」の量産工程で品質にばらつきがあるということが、今ごろになって公表されるほどの体制だ。
この状態でクリスマス・年末商戦に間に合わせようと大量産しているのだから、生産現場では初期ロット*2は不具合発生の恐れも已む無しと言うほどの綱渡り的な操業状態に陥っていてもおかしくない。


果たしてソニーは来年の今ごろどのような姿になっているのであろうか?
9/7 17:00追記

 深刻なのは、延期の原因がBDドライブ(駆動装置)に用いる青紫色レーザーの半導体の量産が遅れていること。作っているのは親会社のソニーだ。久多良木氏は会見で「本当は(発売延期の原因となった)ソニーの担当者が(記者会見に)来るべきだが来ていない」とカンカン。ソニーの製造技術や能力が落ちたのではとのマスコミからの質問には、「現時点ではその通りかもしれない」と答えるなど、穏やかでない心中がありありだった。

本当にどうなってしまうんだろうか?
ソニーは再来年を迎えることができるのか?

ソニー復活の経営学

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*1:というか必需品

*2:初期出荷分